体験ダイビング、楽しかったですか?

こんにちは、イケダです。
今年も8月が終わろうとしています。夏になると「体験ダイビング」っていうメニューが人気があります。もともとダイビングライセンス取得コースを受けようかな?と悩んでる人が、お試しで受けるメニューだったんですが、「ライセンスなしでもダイビングできる!」と手軽さをアピールする業界の流れで、ここ10年くらいで一気にダイビング屋さんの夏の主力商品になった感があります。

海外や南の島で体験ダイビングやったことある方って意外と多いです。もしかしたら僕がいる伊豆でやったって方もいらっしゃるかもしれませんね。

楽しかったですか?

「うん!」とお答えになった方。
よかったです。あなたはダイビング向いてます。

「体験ダイビング、怖かった・・・」という方へ

そうでしたか・・・。残念です。でもそれは、あなたのせいではありません。センスとか才能がないと自分を責める必要はありません。海は専用の器材がないと空気すら吸えないという意味では、宇宙に行くのと同じ環境。そんなところで遊ぶダイビングは初めての人にはすごーーーくストレスのかかるのは当たり前です。

ダイビングって思っている以上に、メンタルへ負荷がかかります。
通常のフィジカルなトレーニングとは別に、いわゆる「心の準備」が必要です。
怖くなかったって方は水泳を長くやってたりして、心の準備が整うのが早かった。
怖かったあなたは、整える時間が足りなかった。それだけです。

体験ダイビングの時、あなたの担当イントラさんは、サクッと説明して、サクサクッと海中に連れて行こうとしませんでしたか?「怖い、苦しい」と言っても、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」くらいしか言ってくれない人もいると聞きます。繁忙期だから。あとにもいっぱいお客様が待ってるから。なんとか限られた時間内にご案内しようと思って、あなたのペースで進めてあげられなかったのかもしれません。

ダイビングほど、未経験者が死を感じてしまうスポーツは(ほとんど)ない

テニスでラリーが続かない、ボーリングでガターに引っかかる、ヨガで鳩のポーズができない。「死ぬ!」とは感じないはずです。

(初めて海に入る。ちょっと表情カタい?)

でもダイビングでは、呼吸すら陸上の仕方とは違います。本当に怖がる人だとレギュレータ咥えて水面に顔をつけることすらできません。こんなスポーツ他にあるでしょうか?(これは器材を信用していないからというのが大きな理由の1つですが、これはいずれまた書きます)

ダイビングそのものが、向いてない人なんて(ほとんど)いない。

体験ダイビングだと時間が限られすぎて、「海の素晴らしさを伝えるというよりも、お化け屋敷やってるみたいだな、オレ」と感じて、今僕のスクールでは体験ダイビングの提供をしていません。

「海、楽しい!」と、全員に言ってもらいたいからです。

それには、練習がどうしても必要だと思い、うちのお客様には、Cカード取得講習を必ず受けていただくことにしました。きちんと知識と技術を身につければ、恐怖心をコントロールできます。

そこにはセンスも才能も年齢も関係ありません。練習すれば誰でも海に潜れます。
*健康上の理由でできない方もいます

(先週の講習風景。キンギョハナダイの群れと。伊豆海洋公園−14M)

講習では、自宅予習して、プールで1日練習して、そして初めて海に入ります。そこまで練習すれば、長く潜れるし、深くもいける。体験じゃ行けない素晴らしいポイントにもいけるようになります。体験ダイビングはイントラに掴まれてましたが、もうあなたを掴んでいる人はいません。自由です。さらに練習すれば、もっと絶叫の世界にいけるようになります。

ダイビングには天才がいない

あなたがやっていたスポーツや趣味の世界には、「天才」がいませんでしたか?どれだけやっても叶わない、追いつけない。そんな人です。ダイビングにはそんな人がいません。あの人だけエラ呼吸してるみたいにタンク一本で何時間も潜ってるなんてこともありません。

練習すれば誰でも上手くなれます。老若男女問わずです。ダイビングは努力が絶対に報われる遊びです。最初は怖い苦しいと言ってた人が、トレーニングを通じて今では誰よりも青い宇宙探検を楽しんでいる、なんてお客様がうちのスクールにいっぱいいます。

(器材をバディ同士で協力して背負うの図。これも先週@伊豆海洋公園。)

努力したことが絶対に報われる。
人生において、こんなに素晴らしいことがあるかなと僕は思っています。

「まだライセンスは早いかも」と再度体験ダイビングやっても、体験ダイビングは練習する場じゃないので、自信はつきません。ダイバーとしてやるべき練習をやらずに海に入る。朝初めて会った人(イントラ)に全て命を預ける。信頼できそうでもできなさそうでも。それが僕の感じてる体験ダイビングの限界です。

体験ダイビング怖かったけど、やっぱり海潜ってみたいと諦めきれないあなた、「SNSIオープンウォーターコース」から始めるべきです。あまり知られてないですけど、僕がいる伊豆のトップシーズンは、今から1月くらいです。サカナごっちゃり、透明度抜け抜けの海でお待ちしています。

(漂流した時の練習。他にもマスクが外れちゃった時やエア切れの練習なんてこともします)

*Cカード、オープンウォーター、ダイビングライセンス、ダイビング免許、色々呼び名がありますが、全部同じものを指しています(正式名称は「Cカード(認定証)」です)

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