「今まで行った中でどこが一番良かったですか?」
と、よく聞かれる質問ですが、人によって好みもありますし、思い出補正もかかってますし、答えづらいですが、海外のダイブサイトで一番思い出があるのは、やはりシパダンです。
こないだも行ってきたので、レポート書こうと思ったら、思った以上に画像が多い。ということで、お楽しみください。
僕の人生を決定づけた島に今年も行ってきました。
実はこのサバ州東沿岸という場所は、外務省から渡航延期勧告が出ています。
このあたりは、ご参加者の個々判断に委ねていますが、現地の仲間に聞いてみると「うーん、ふつう。」だし、実際に現地に行ってみると「うーーーーーーーん、ふつう」です。
そもそも海外に出たらすべてが自己責任ですし、日本より安全な国はあるのか?ということも踏まえて、でも陸も海も安全最優先でご案内してきました。
しかし、今回は本当に事件が多かった。まず成田に向かってる途中、電話がかかってきました。
Sさん「成田ついてます!けどパスポート忘れました」
僕「・・・・・・・え?どうしよう」
Sさん「とりあえず待ってます」
とりあえず待ってどうにかなるのだろうか?と思いましたが、やっぱりパスポートばかりはどうにもならず、結局彼は片道3時間かけてパスポートを取りに自宅へ戻り、また3時間かけて成田に戻り、クアラルンプール行きの深夜便を取り直して、我々の後を単身追いかけることになりました。彼が英語喋れるのと、シパダンリピーターであることが幸いしました。
シパダンまでの道のりは遠いんです。1日で着きません。
成田→(飛行機)→クアラルンプール→(飛行機)→コタキナバルで一泊&宴会。
(一人抜かして)コタキナバル到着! pic.twitter.com/NWUfTYptKe
— 池田大峰 (ラフィンダイビングスクール) (@Laughin_DIVE) 2019年1月9日
翌早朝タワウまで飛んで、車でセンポルナ、船でマブール島へ
成田→クアラルンプール→コタキナバル→タワウ→センポルナときて、ついにマブール着きました! pic.twitter.com/pEiQXt62aJ
— 池田大峰 (ラフィンダイビングスクール) (@Laughin_DIVE) 2019年1月10日
このエリアの特徴としては、とにかくたくさん潜れるということ。午後からスタートでナイトダイブ入れて4本いけるという贅沢さです。
Sさんはクアラルンプールからの乗継便が、まさかの欠航となり大分焦りましたが、振替便でなんとかナイトダイブまでに間に合い、これで10名全員揃うことが出来ました。あーホッとした。
。
早朝5時おき!
で、シパダン島へ。形は初島になんとなく似てます。
昔は泊まれたのですが、今は軍の施設があるだけ。ここには1日120人しか上陸することが出来ず、パーミットが必要になります。
(現地人しかいないリゾートが常宿です。英語でブリーフィングを受けてるの図)
このビーチの画像。水の色がこっち(エメラルドグリーン)とあっち(紺)で違うでしょ?
あの色変わってるところから深度が急激に変わってて、ドロップオフになっています。
着底が−500Mと言われてます。僕が通いはじめの頃20年くらい前は600って言われてたのですが計り直したみたいですね。
(左側の紺色エリアがドン深)
カメ、サメ、群れの島に潜る。
ポイント名は「ザ・ドロップオフ」。
ここからシパダン最強ポイントであるバラクーダポイントに向かって流します。
シパダンの海ってどんなですか?って聞かれたら、僕は「どっかんバリバリ!」と答えることにしています。とにかくダイナミックです。
(ギンガメアジをバックにカメを撮る。まさにシパダンらしい絵)
初めてモルディブを企画した時、「シパダンよりすごくなっちゃったら嫌だなぁ」と思ってたのですが、また違うジャンルの凄さ。向こうで見られない規模の群れがこっちの普通だったり、こちらでは見られない光景があっちの目玉だったりして。
ここのギンガメアジよりすごい群れを僕は見たことがありません。
モルディブに何度も潜ったような人が、シパダンはすごい、と言ってくれます。
シパダンに初めて潜った時、ガイドがナポレオンフィッシュに見向きもしない(雑魚と認識しててお客さんに見せようとしない)事に気づき、ここの海の豊かさを実感した記憶があります。
非常にカメが多い島です。
そして多いだけじゃなく、ダイバーを全く怖がりません。
今まで潜ってきた世界のポイントが、どんどん規制がかかって、本数限定だったり人数限定だったり期間限定になったり、潜れてもパーミットがどんどん値上げしていったり。
シパダンもその一つ。
規制がさらに厳しくなる前に、皆さんに潜ってほしいなぁ、と思います。
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バラクーダポイント、サクレツ!
シパダンのバラクーダポイントっていうところは、パラオで言ったらブルーコーナーみたいな立ち位置。つまりここを潜らないと始まらないっていう鉄板ポイントです。
この画像にあるブラックフィン・バラクーダが群れることで有名です。
(ボートで移動中に夜が明ける、そんな時間帯です)
僕ら「どう?最近バラクーダいる?」
ガイドのイスマイル「ここ1ヶ月位ぜんぜんバラクーダ見てない」
僕ら「そっか、まぁ他にもいっぱい見るべきものはあるし、いいよいいよ。」
なんて、期待もせずに潜り始めたんです。
完全にバラクーダのこと忘れてグレイリーフシャークとか撮ってたら、前方からついーッとバラクーダ。ブラックフィンです。あれ?あれれれ?なんて思ったその30秒後、イスマイルがタンクを鳴らしてる。
まじで?と頭で考えるよりも早く、無意識に体がダッシュしている。腕をもう片方の手刀で切るシグナルをイスマイルがしている、バラクーダのサインです。まだ魚群は見えないけどムービーのスイッチをONにしたままとにかくダッシュして撮れたのがこちら。
あっという間に、魚群に巻き込まれます。
上から下までバラクーダです。
今回、貼った動画ぜひ全部見ていただきたいです。
ダイバーとの対比で、一尾の大きさがどれくらいか、
また、群れの規模かどのくらいかが、おわかりいただけると思います。
諦めてた本丸が、不意をついて突如現れました。
幅は表層からかなりの深度まで巨大なカーテンのよう。
長さはとぐろを巻いたり、ぐわっと伸びたり。
龍のトルネードのようになっています。
軽くパニック気味に我々は撮りはじめ、大量のアドレナリンでフリーズした脳みそをなんとか再起動させて、1尾1尾の数を数えることで冷静を取り戻そうとします。
が数えれば数えるほど、その群れの規模が凄まじいことを知り、興奮は恍惚に変わり、そして潮流の速さと反比例して、すべての時間が止まります。
何年ぶりだろう?本当に久しぶりに、この規模のスクールにぶち当たりました。
僕が初めてシパダンで潜った時に食らった衝撃を思い出しました。
うちのチームのメンバーは、なんだかんだで横目でバディとガイドを確認しながら、群れと流れと戦っています。上から目線になっちゃいますが、ダイバー認定を受けてからこの数年で本当に上達しました、安心して放っておけます。
彼らが撮ったのも、また素晴らしいものでした。
でもどんだけ写真や動画を駆使しても、実際にあの現場にいないと味わえないことの方が多い。
今回はその「現場にいないと分からない」情報の濃さが、もうコンクリートのような密度でした。脳みそぐわんぐわんに揺れましたね。
上がってから、みんな「あー」とか「いやー」とか、言葉忘れてるような感じでしたもんね。
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シパダンだけじゃない。
シパダンは20年位前までは宿泊できたのですが、今はできません。軍の施設がちょろっとあるだけです。
その当時あったリゾートたちはインドネシアに移転したり、また近くのマブールに移転しました。今回はそのマブール島でのダイビングの話です。
マレーシアでは、ネコを肥料にして、椰子の木はすくすくと育ちます。 pic.twitter.com/o9pxNXbe6b
— 池田大峰 (ラフィンダイビングスクール) (@Laughin_DIVE) 2019年1月12日
マクロ天国マブール
マブールは「マクロ天国」と形容されるような評価を得ていて、僕がダイビングを始めたころ、海外の新しいマクロエリアの情報が入ると「マブールとどっちがすごい?」なんてよく話題にしたものです。
この界隈での素晴らしいところは「とにかくたくさん潜れる」というところ。
最大で1日6ダイブ。今回は3日間で14ダイブしてきました。
それを可能にしてくれるのが「無制限ジェッティダイブ」。
ジェッティ(桟橋のような広いウッドデッキ)からのダイビングは何本潜ってもOKという、窒素ジャンキー大歓喜の嬉ションスタイルなのであります。
しかも、サクッとジャイアントで潜降し、2秒後には何か被写体が見つかります。探せば探すだけネタが出てくるのは、楽しいかくれんぼの鬼です。
こちらのハナイカはMONO消しゴムくらいの大きさ。
ころころ体色を変える様は、一人ネオン街。見ていて飽きません。
最近では「世界一美しいイカ」なんて称されているそうです。
ぜひムービーでチェックしてみてください。
ウミウシは本当にいっぱいいます。
みんないろいろ見つけてニヤニヤしています。
現地人のガイドも「PIKACHU見せてあげる」なんて、言ってくれます。
白いピカチュウ、ツノザヤウミウシかわいいなぁ。内蔵スケスケだぁ。
オオモンカエルアンコウ。
こちらはマブールから少し離れたカパライ。
家を模した漁礁からはみ出た小魚をカスミアジがハンティングしています。
なんか視線を感じるとギンポがこっちを見ていたり。
小さい生物たちですが、彼らの縮尺の小宇宙が広がっています。
・・・と思いきや、ワイドもなんだか楽しい。
そこそこサイズの沈船があります。
PX1と呼ばれる、現地のコーストガードが使ってた船舶。
中も通過できます。
この沈船が大きな漁礁として、多くの生物を育んでいます。
マクロだけかと思いきや、群れもカメもガンガンいます。
群れの向こうが見えません。
ここのカメは本当にサービスしてくれます。
ナイトでも毎回見られます。
近寄ったカメラに興味をもったのかつついてきました。
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今回のトリップを一言を表すとしたら。
「ここ10年で一番当たった!」ですかね。
シパダン。この10年で一番大当たりした気がします。 pic.twitter.com/B3Ll5FYqTg
— 池田大峰 (ラフィンダイビングスクール) (@Laughin_DIVE) 2019年1月11日
本当に良かった。しみた。いろいろ思い出した。
自分のルーツを思い出せる旅はいいですね。
サンゴの上空をかっとびながら、「この島がみんなのルーツの一つになってくれたらいいな」と思ってました。
まだ使ってない動画と画像を
ゆったりとカレントに乗っていると、グレイリーフシャークもまたゆったりとすれ違います。
早朝ダイビングのお目当ては、バンプヘッドのパレード。和名ではカンムリブダイです。
昼間は単体でいることが多いのですが、早朝だけ群れて出勤するそんな魚です。
が、今回はド昼間に出ました。
早朝に見れなかったから、諦めてた分嬉しさスパイス多め。
バッファローフィッシュとも呼ばれます。その図体もそうですし、砂埃よろしくウンコを撒き散らしながら通り過ぎていく姿は、名付けた人のセンスが光るなぁといつも思います。ぜひこちらもムービーで御覧ください。
今回100本記念×お二人&300本記念お一人!
今回の記念ダイブは本当にエゲツない量の群れでしたねぇ。
おめでとうございます!!!!!
自分の海はどこだ?
ここ数年、現地のガイドが代変わりでバンバン辞めていっています。それでも毎年通っていると、顔なじみのガイドや、キャプテン、デスク担当がいつもいて、「おかえり」と言ってくれる。
次の朝も早いのに、「友達じゃん」と言って遅くまで一緒に飲んでくれる。そんな現地人がいるから、ラフィンの企画するトリップでもダントツでリピーターが多いのだと思いますし、多分僕もこんなには来ていないと思います。
ただいま、と言える自分の海をもてることは幸せです。
ぜひあなたにも、どこかの海でいつか言ってほしいと思います。
さて、今回のレポートはこれで終わりです。
復路はチケットが発券されなくて、コタキナバルでもうひと悶着あったり、なんだかここ最近珍道中の比率が多くなってきてて困るんですが、無事戻ってくる事ができました。
次回はまた1月です。
ぜひそれまでスキルアップと500円玉貯金をしておいてください!
過去10年で一番炸裂した今回のボルネオトリップ。トラブル道中も無事10名全員帰国できました。ご参加の皆様ありがとうございます!帰豆した途端に安堵から即落ち。画像はまた後ほど。
さて早速今朝からドライスーツに着替えて伊豆で通常営業。練習に励むみなさんと青い潮が待ってるばい。 pic.twitter.com/EzyKsTHHWL— 池田大峰 (ラフィンダイビングスクール) (@Laughin_DIVE) 2019年1月14日