① 興奮の湖編
北海道、行ってました。
今年6回目、ひまわりが迎えてくれました。
ジャガイモや麦や豆などの畑で採れる作物の
肥料用に植えられたのが最初と言われているそうで
あっちこちにひまわり畑が。
その畑一つ一つがさすが北海道、
スケールがデカいんです。
一面真っ黄色。
今回は湖、川、海と
道東ダイビングの三冠王でした。
さらに盗塁王と最多奪三振も取っちゃった、
ような大盛り4日間でしたよ。
初日は空港で車を借りてまずは湖へ。
非常に暖かくて、半袖でも行けるくらいでした。
初日は今回は全く
予定になかったヒメマス狙い。
ちょっと早いかなと思ったのですが
いっぱいいてくれました。
初めて湖に潜る人、
初めてサケマス類を目にする人、
みんな大興奮でした。
婚姻色の紅が綺麗。
水温もあったかくて90分じっくりと。
(途中で無造作に積み上がってたジャガイモピラミッド)
湖からあがったらウトロへ急ぐ!!!
「知床サスティナブルフェス」というイベントがあり
僕らが敬愛してやまない関さんがトークショーをするということで
運良く観覧することができました。
素晴らしく立派なシアターで
140枚くらい画像を用意されたらしいのですが
トークが弾んでこの場では30枚ちょっと笑
素晴らしい写真が
でっかいスクリーンに映って見応えマシマシでした。
見れば見るほど
自分の撮れ高の悪さにガックシくるというね。
サッポロクラシックに慰めてもらわねば。
ねばねば。
② 激闘の川編
今回のトリップ、初日の次に実は2日目がありまして
いつもの宿で朝からしっかりセクシーな食事を摂取しました。
やっぱり朝食は朝に限りますね。
(進次郎構文)
めんどくさいので普通に戻します。
この日は海況が良くなかったので
川をがっちりいただきました。
昨日はヒメマス狙いでしたが
この日はシロザケ。
ヒメマスは陸封型で海に降りることがないですが
このシロザケは海から母川回帰してきたものになります。
水温はやっぱり暖かく。
今年は温暖化がどこでも強く出てるんだなと思いました。
流れの少ないところで休む個体がいたり
水量の多い滝壺でその時を待っている個体も
2時間ほど入ってると
さすがに体は寒く感じますが
脳みそが!心が!魂が!
あがりたくない、
あがってる場合じゃないと
目が釘付けになるのでした。
シロザケ以外にも
カラフトマス(10月に!)、オショロコマ、ヤマメなども。
北海道に通うようになってから
僕ずっと不思議に思っていることがあって。
交尾や産卵って行為は、
元気いっぱいな体調でするもので
川に帰ってきた段階のサケたちは
元気ビンビンだと思うんですよ。
なのに産卵した途端に
こんなに一気にボロボロになるものなんだろうか?
こんな生物、他にいるのか?
と。
命を繋ぐ大炎が
急速に消えていく。
それを毎年目の当たりにしていると
その残酷さと崇高さに
自分の生き方を打ちのめされた気分になります。
単なるレジャーを超えた
とても大切なことを教えてくれている。
ダイバーとしても
人としても
噛み締めるべき時間だなと思います。
③ 超レア定置網編
3日目は海が凪ぎました。
「沖出しの風なのに、なぜこんなにウネリが入ってくるんですかね?」
と昨日何気なく呟いたら、
青柳さんが「クナシリ(国後島)にあたって跳ね返ってくるんですよ」と。
そんな影響がでるほど近い北方領土を見ながら
今日は午前中をサケの定置網に潜らせていただけることに。
船に乗り込むその足元には、羅臼昆布がびっしり。
定置網は漁師さんのものなので
好き勝手に潜らせてもらえるわけではありません。
普段潜らせてもらえない海域というレア感と
何が入っているかわからないギャンブル性の
マスカルポーネ・ミルフィーユとでもいいますか
はたまた
網に絡まったらどうしようというリスクと
閉鎖環境で潜る緊迫感の
ナスとズッキーニのラザニアとでもいいますか
いろんな意味合いの重なりのビートを
己の心臓が叩いているのを
ドライスーツの中で感じながら網に近づきます。
(何言ってるんだろう、オレ)
実は潜る数時間前に網上げがありまして
サカナあんまし入っていないんじゃないかと
覚悟していました。
本当は網上げのない前日に
定置網潜りたかったんですけど
あれだけ荒れてたらしょうがない。
ところが数時間でけっこう入るもんなんですね。
アキアジ(シロザケの別称)の群れが右往左往しています。
魚屋さん覗いたらですね
オスで4000円
メスで9000円くらいでした。
昨日、川で見たサケたちに感動して
やれ「命を繋ぐ大炎」とか
「人として噛み締めるべき時間」とか
殊勝なこと書いちゃいましたが
なんか海の鮭たちは
なんというか・・・
その・・・
つまり・・・・
・・・・美味そうです。
ほっけ
・・・・も、美味そうです。
(いつも開きになってるから、ホッケの顔ってみたことないでしょ?)
かれい
・・・・も、美味そうです。
(あっさりした煮付けがいいです)
さば
・・・・も、美味そうです。
(炙り締め鯖を一つお願いします、あと麦ソーダ割りをおかわり。)
みんなで記念撮影をしてる時に
完璧なタイミングでサケが入ってきてくれました!
(あ!と思わず声が出てしまい僕の泡がはいってしもた)
④ 豊穣の海編
日本全国で海藻がやられている中で
羅臼のポイントは、海藻がまだ豊かです。
ところが、普通にあるはずの種が
いつのまにか無くなっていて
そして大分経ってから消えたことに気がつく。
「あれも見なくなった」
「これもいない」
伊豆は7年くらい前から始まった黒潮の大蛇行の
影響からかその変化が著しいし
他の海域でも同じようなことを耳目にします。
(ホタテの目、ブラックパールみたい。)
羅臼に年に数回しか来れない僕でも
あれ?前はもう少しこれがいたんだけどな・・
と正直感じることがあります。
でもまだ羅臼は多い。
ここの海の豊かさは、まだ眩しい。
(昆布に群がるエゾバフンウニ。美味しさの秘密は昆布)
珍しい生き物以上に
なんの変哲もない生命たちが
こんなにもたくさん繁茂したり
産卵したり生活を営んでいる。
(この石に見えるのが全部ホタテ。ずーーーーーとホタテ)
いつまでもこのままでいて欲しい願望と
いつかここもそうなってしまうんじゃないかという覚悟。
ならば、まだあるうちに目に心に焼き付けておこう。
僕がこの海に魅入られた理由は、
伊豆の海が徐々に壊れているのと関係があるのかもしれません。
(ホタテとウニと昆布。料亭に潜っているかのようだ)
覗いてる先には・・・
人の頭くらいある巨大なオオカミウオ。
こんな大きいのは初めて見ました。
頭の⚪︎⚪︎⚪︎マークはミズダコと戦った時の吸盤の跡なんだそう。
一個♡に見えます。
(名前の通り歯がすごい)
(羅臼には落ちない夕陽をウトロまで見に行きました)
関さんの写真がウトロの自然センターに
展示されてるということでダイビング後に峠越え。
(川だったんで浅かったんです)
今回の旅は、バリエーションが豊富で
本当に滋味深いです。
⑤ 灼熱の川おかわり編
最終日の朝、宿のおかあさんに別れを告げ
「お腹いっぱい!また来月きまーす!」
関さんにもお礼を伝え
「最高でした!また来月きまーす!」
そして知床峠を越えウトロ側へ。
羅臼とウトロ、30分もかからないこの町は
あと1ヶ月もしたらこの峠は雪で長い通行禁止。
迂回すると3時間もかかるので
いまのうちに知床ど真ん中を堪能します。
そして着いた先は知床五湖。
知床連山ないすびゅーーーーーーーーーーーー!
山々の美しい稜線の方は、ほんのり紅葉していました。
インバウンディストの皆さんの中には
半袖野郎もいっぱいいるくらい、
気温あったかかったです。
崖下の川でなんかやってるヒグマをみんなで見てます。
もうね、虫眼鏡レベルの小ささでしたけど
みんな大興奮でぜんぜん動かない。
色々回るつもりだったんですが、
ヒグマでけっこう時間を使ったので
お昼は港近くのラーメン。
ここの塩、無性に食べたくなります。
そして嬉しい誤算もう一つがこの川。
何の気なしにシャケ登ってきてるかもねーと
橋の上から覗いたら川真っ黒。
水面を無数の背鰭たちが切り裂いている。
そりゃ川原まで降りちゃいますよねー。
で手持ちの携帯、水につけちゃいますよねー。
そしたらこんなにいました。
すごいでしょ。
たくさん帰ってきた。 pic.twitter.com/X8JMUeqvfR
— まいにち夏やすみ (@Laughin_DIVE) October 26, 2024
いやー、ぶっ飛びました。
長靴もドライスーツもなんもないまま
みんなカメラを車に取りにいって腰据えて撮影会。
あそこ回ろうとか考えてたけど、
もうそんなことは頭から飛んで
結局、この川に無我夢中で2時間。
ということで、最終日まで皿数も盛りつけも
フードファイター級の怒涛のラインナップでした。
ご参加の皆様、ありがとうございました!