*ダイビングライセンス(Cカード)を持ってるだけ、から「自分の日常に海がある」本当のダイバーになるためのお誘いです
今回は伊豆特有の透明度の話です。
こんにちは、イケダです。
今年もそろそろ伊豆に来ます。春濁りが。
(先日の富戸、超青かったです。)
海が濁るのは様々な要因がありますが、春濁りの犯人は「植物プランクトンの大繁殖」です。ポカポカ陽気になり植物プランクトンが光合成を起こした結果、海中が緑色に染まる。世界でも春濁りが起こるのって珍しいらしくて、昔ナショナルジオグラフィックでも特集組まれて伊豆を紹介されてました。同じタイミングで海藻もニョキニョキ元気になります。
(海藻に卵を産み付けたり、隠れ蓑にしたり、言わば海中の森に当たる存在です)
植物プランクトン→動物プランクトン→小魚→大きな生物→もっと大きな生物・・・と生態系ピラミッドの一番下を支えてくれる存在でもあるので、必要悪というか、無きゃ無いでヤバい。僕は結構好きなグリーンだし、毎日携帯見続けて眼精疲労なあなたの視神経をふわっと軽くしてくれるグリーンですよ、なんて誤魔化してますけど、いかんせんダイバーにとって景色が見えづらいのも確か。ぼーっとしてるとグループと離れ離れになっちゃうし、ワイドレンズだともう何撮っていいか分からないし。
春濁りという呼び方の印象が悪いので「マクロ日和」と呼ぶ動きも出てきました。ちなみにうちでは冬将軍になぞらえて「春軍曹」と呼ぶことにしています(他所で言ったら「は?」案件ですご注意ください)。
透明度が悪いから潜らない、というよりも、いつもどおり潜ってたらたまたま春濁りだった。本物のダイバーってのは、どんな透明度でも潜りたい欲望に常に前のめりでありたいもの。でも見えない。気合だけじゃどうにもならん。そんな場合どうしようか。
チイサキモノに視線を合わせる
とりあえず、見えないんだから、あんまり動き回るとロストしちゃうんで、ある程度のところを見つけたら、そこで粘って小さい生き物を探したり撮ったりというのも1つの手です。
小さいほうが価値がある的な扱われ方をするダンゴウオ。
クジラみたいな大きな生物もいれば、四畳半くらいのエリアで1日が終わる生物も海にはいます。どちらも同じ宇宙です。いつもとは違った縮尺の宇宙を楽しむという提案です。
雑魚というサカナはいません。じっくり観察すると感じるものがあるかもしれません。
洞窟に逃げる。
「いやーダメなんだよ、マクロは。チマチマしててさ!」という御仁もいることでしょう。
そんな御仁を僕はサササっと穴に埋めるご案内することにしています。太陽光がプランクトンに乱反射したものが濁りに感じるので、太陽光を防ぐような場所に潜ればいいからです。晴れよりも曇りの方が濁りが軽く感じますしね。洞窟、おすすめです。
(春の洞窟内、群々なことが多いです)
夜に逃げる。
太陽光うんぬんの理屈であれば、ナイトダイビングも有効です。だんだん夜の気温も上がってきて過ごしやすいですしね。
あと特筆すべきは、この時期プランクトンが多いってことで、「夜光虫(発光プランクトン)」が春濁り限定で素晴らしんですよね。南の島より伊豆のほうがキレイだなってかんじる現象のひとつでもあります。無数に舞い散る幽玄な淡い光はティンカーベルの粉、はたまたアナ雪レリゴーってな感じです。ぜひライトを消して水をかいてみてください。
昔あまりに夜光虫が素晴らしいので、底に仰向けになって自分の排気泡が夜光虫で柱のように光立ち上るのを見とれてるうちに1ダイブ終わっちゃったことがあります。
最後になりましたが、僕がアマチュアの時に師匠に言われた言葉で今回は終わりにします。
「海を濁ってると感じる心が濁っている。もっと視点を変えて楽しんだらいいよ」